
会社で年末調整やったから、もう税金の手続きは終わりだよね?

実はそうとも限らないんだ。前回「年末調整とは?」を解説したけど、年末調整だけじゃ対応できない控除もあって、場合によっては自分で確定申告が必要になるんだよ。
年末調整と確定申告、目的は同じ「所得税の精算」
年末調整も確定申告も、1年間の所得に対して正しい所得税額を計算し直し、天引きされすぎていた分を還付したり、不足分を追加で納めたりするための手続きです。つまり、やっていることは同じ「所得税の精算」です。
手続きするのは会社か自分か、という違い
大きな違いは「誰が手続きを行うか」です。年末調整は会社が代行してくれるのに対し、確定申告は自分で税務署に申告する必要があるという点です。会社員の場合、年末調整で所得税の精算が完了するため、原則として確定申告は不要です。ただし、年末調整では対応できない控除がある場合は、別途確定申告が必要になります。
年末調整と確定申告の違いを比較
| 年末調整 | 確定申告 | |
|---|---|---|
| 誰がやる | 会社(勤務先) | 自分自身 |
| 対象者 | 会社員・パートなど給与所得者 | 個人事業主、副業がある人、一定条件の会社員など |
| 時期 | 11月〜12月頃 | 翌年2月16日〜3月15日 |
| 対応できる控除 | 生命保険料控除・扶養控除・社会保険料控除など | 年末調整の内容に加え、医療費控除・住宅ローン控除(初年度)・寄付金控除など |
ポイントは「年末調整でできる控除には限りがある」ということです。年末調整で拾いきれない控除は、自分で確定申告をしないと戻ってきません。
会社員でも確定申告が必要になる主なケース
医療費控除を受けたいとき
1年間の医療費控除は年末調整では申告できません。控除を受けたい場合は、自分で確定申告を行う必要があります。なお、医療費控除は自分だけでなく、生計を共にする家族の医療費も合算して申告できます。
ふるさと納税でワンストップ特例を使わなかったとき
ふるさと納税の寄付金控除も年末調整の対象外です。「ワンストップ特例制度」を利用していれば確定申告は不要ですが、寄付先が6自治体以上になった場合や申請書の提出を忘れた場合は、確定申告が必要になります。
副業所得が20万円を超えるとき
給与以外に副業などの所得が年間20万円を超える場合は、年末調整とは別に確定申告が必要です。
住宅ローン控除の1年目
住宅ローン控除は、2年目以降は年末調整で対応できますが、1年目だけは必ず自分で確定申告をする必要があります。
年収が2,000万円を超えているとき
給与収入が2,000万円を超える人は、そもそも年末調整の対象外となるため、確定申告が必要です。
年の途中で退職し、年末調整を受けていないとき
年内に転職・再就職せず年末調整を受けられなかった場合、天引きされていた所得税が精算されないままになっています。払いすぎた税金を還付してもらうためにも、確定申告をしておきましょう。
このほか、災害や盗難で損害を受けた場合に使える「雑損控除」も年末調整では対応できず、確定申告が必要な控除のひとつです。
医療費控除やふるさと納税については、それぞれ別の記事で申告の流れを詳しく解説しています。
年末調整と確定申告、両方が必要になるケースもある
ここまでのケースはすべて「年末調整は年末調整のまま済ませつつ、控除を追加するために確定申告もする」という位置づけです。年末調整をやったからといって、確定申告が免除されるわけではない点に注意しましょう。

去年は確定申告なんてしなかったし、今年も面倒だからスルーしちゃえばバレないでしょ。
医療費控除やふるさと納税の申告漏れは、還付を受けられないだけで済むこともありますが、副業所得の申告漏れなど本来納税すべきものを怠ると、後から追徴課税の対象になることもあります。該当するケースがあれば、忘れずに確定申告をしておきましょう。

年末調整をやったから安心、じゃなくて「自分は確定申告が必要なケースに当てはまるか」を毎年チェックする癖をつけようっと。
よくある質問
Q. 年末調整をしたら、確定申告はしなくていい?
基本的には不要ですが、上記のようなケースに当てはまる場合は、年末調整をしていても別途確定申告が必要です。
Q. 年末調整と確定申告、両方やらないといけないことはある?
あります。年末調整で通常の控除を済ませたうえで、医療費控除など年末調整で対応できない控除だけを確定申告で追加する、という形になります。
Q. 確定申告をすると税金は戻ってくるだけ?
還付されるケースが多いですが、副業所得の申告漏れなど、逆に納税額が増える場合もあります。
まとめ
- ✅ 年末調整と確定申告は、どちらも所得税を精算する手続き
- ✅ 年末調整は会社が行い、確定申告は自分で行う
- ✅ 医療費控除・住宅ローン控除(初年度)・寄付金控除などは年末調整では対応できない
- ✅ 医療費控除・副業20万円超・年収2,000万円超・退職者などは会社員でも確定申告が必要
- ✅ 年末調整をしても、確定申告が必要なケースに当てはまれば両方の対応が必要
「年末調整をやったから確定申告は関係ない」と思い込んでしまうと、控除の申告漏れにつながることがあります。自分の状況に当てはまるケースがないか、一度チェックしてみてください。

とりあえず今年は医療費のレシートを集めておくところから始めてみるよ。


コメント